“ロマンチックだが、代償は大きい”

フランス・ブルゴーニュ地方、まもなく冬を迎える小さな町トネール(Tonnerre)。パリから一人の男が、父親の住む実家に戻ってくる。かつてはインディーズでそれなりに名を馳せたミュージシャンのマクシム。人気の盛りは過ぎ、目の前にあるのは、先行きのない未来だけ。ギターを手にしても、でてくるフレーズにはどことなく甘酸っぱさが残るが、若さはもはや過去のもの。
しかし人生にはときに素晴らしい贈り物が差し出される。マクシムにはそれは若い恋人だった。だがそれは、かつてない無情な速さで失われてしまう。突然消えたロマンスを追うマクシムは、人生を揺るがしかねない危うい行動にでる――
歳をとるのは難しい。いつからが青年で、いつからが中年なのか。老いは少年の心でもってしても、誰にもやってくる。マクシムはその狭間であがき、苦悩する。しかしその苦悩の果てには、父親との間にあったわだかまりを克服し、そして本当に愛することの意味を見出した、大人の男となったマクシムがいるのだった……

監督:ギヨーム・ブラック  Guillaume Brac

1977年5月11日 生まれ。
配給や製作の研修生として映画にかかわった後、FEMIS(フランス国立映画学校)に入学。専攻は監督科ではなく製作科だが、在学中に短篇を監督している。
2008年、僅かな資金、少人数で映画を撮るため、友人と製作会社「アネ・ゼロ」(Année Zéro)を設立。この会社で『遭難者』『女っ気なし』を製作。
2013年、長篇第一作『やさしい人』が、第66回ロカルノ国際映画祭コンペティション部門に出品される。なおロカルノ国際映画祭では本篇106分だったが、その後、監督自らの手で100分に再編集され、2014年1月にフランスで劇場公開された。

フィルモグラフィー
2009年:短篇『遭難者』Le naufragé
2011年:中篇『女っ気なし』Un monde sans femmes
2013年:長篇第一作『やさしい人』Tonnerre

 

ヴァンサン・マケーニュ  Vincent Macaigne マクシム役

1978年10月19日 生まれ。コンセルヴァトワール(フランス国立高等演劇学校)卒業。
映画出演のほか監督として、また舞台演出家としても活躍。『女っ気なし』(2011年)以降、若手監督の作品に多数出演。
2013年にはカンヌ国際映画祭(監督週間部門、ACID部門)で出演作品が3本も上映されるなど、いまフランスで
最も注目されている俳優の一人である。

おもな映画出演作
2009年 『遭難者』Le naufragé(監督:ギヨーム・ブラック)
2011年 『女っ気なし』Un monde sans femmes(監督:ギヨーム・ブラック)

      「3人のルール」La règle de trois(監督:ルイ・ガレル)

2013年 「キングストン・アベニュー」Kingston Avenue(監督:アルメル・オスティウ)
      「7月14日の娘」La fille du 14 juillet(監督:アントナン・ペレジャトコ)
      「ソルフェリーノの戦い」La bataille de Solférino(監督:ジュスティーヌ・トリエ)
      「2つの秋、3つの冬」2 automnes 3 hivers(監督:セバスチャン・ベベデール)
2014年 「Tristesse Club」(監督:ヴァンサン・マリエット)

映画監督作
2011年 「私たちに残されるもの」Ce qu’il restera de nous(中篇)